「保坂兄弟列伝 - 高級住宅街の裏」保坂学と保坂耕司の世田谷ハウスを抜けて。
保坂耕司です。
保坂学とのお散歩シリーズ。
本作品も保坂兄弟列伝として世田谷ハウスの裏側をレポートしていきます。
高級住宅が立ち並ぶ世田谷区。
そんな世田谷ハウスにひっそりと佇む抜け道があった。
この小道が2人を誘い込むように突然現れたのだった。
さて、保坂兄弟はどのようにこの小道を攻略するのだろうか。
この日はまだ蒸し暑さが肌にまとわりつく夏の色香を残す9月後半のお話だ。
夜風が暑さを拭い去り、2人にはお散歩日和に感じさせた。
しかし歩き始めてすぐに汗が吹き出す。
保坂学も耕司も顔から汗が滴っている。
乾いた地面にぽつりぽつりと汗が落ちた。
世田谷通りをまっすぐに三軒茶屋から進むと環状7号線にぶつかる。
そこを超えて少し行った右側に小道が現れた。
普段気にしていなかった為か見た事もない抜け道だった。
深夜2時を過ぎた頃という事もあり暗がりとなったこの道は少し恐怖心を与えてくる。
学がゴクリと唾を飲み込む音が聞こえた。
耕司にも学の緊張感が伝わってきた。
2人は同じタイミングで小道へと入っていった。
もう2度と戻れないかのような薄暗い道は街灯も少なく、世田谷ハウス達から盛れる部屋の明かりの方がより照らしているようだった。
殆どの家はもう就寝時間を迎えていただろう。
その為、照らしてくれる光は少なく、点々と続いている街灯を頼りに歩いたのだ。
数十メートル歩いただろうか。
すぐに道は途絶え住宅街の一般道に差し当たった。
しかし入り口で与えられた恐怖心があったせいか、とても長い道のりであったと感じさせた。
保坂兄弟はその場を足早に去っていった。